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休刊のごあいさつ
◆ 「患者のための医療」は、「医療の質向上と安心の医療をめざす」ことを目的に2002年4月に季刊誌として創刊した。しかし小社の力不足により、2004年からは年2回刊となった。そして残念ではあるが、このたび、年2回刊も困難になったため、休刊することとなった。企画の相談に乗っていただいた方、ご多忙にもかかわらず執筆していただいた方、そして、熱心にお読みいただいた読者の皆様に申し訳ない気持でいっぱいだ。
◆多くの医療従事者の努力によって、医療は確実に進歩し、人の命を助け、苦痛を和らげてきた。しかし、一方では、医療事故は後を絶たず、尊い命が失われている。本MOOKがめざした目的は達成されていない。いつの日にか装いを新たに復刊したいと個人的には思っている。丸5年間、お付き合いいただいたことに深く感謝し、休刊の挨拶に代えたい。
2007年2月1日 記 編集長 井澤 泰
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本ホームページでは、「患者のための医療」の連載である医療関連情報Watching、医療事故情報、医療判例Digestについて、タイトルのみを掲載しました。
各号ごとに対象期間(3カ月分)の情報が掲載されています。(〜8号まで)
詳しい内容については本誌をご覧ください。
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患者と医療の架橋を目指す
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創 刊 2002年4月1日
発行形態 年2回発行(7月、1月)
仕 様 B5判、並製、180ページ前後
定 価 本体1,500円(税別)
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「患者のための医療」発刊にあたって
2002年4月1日
医療制度改革論議が盛んだが、国民(患者)不在の論議が多い。いま求められるのは、「患者のための医療」という原点に立ち返ることだ。
医師は高度な医療知識と技術を習得するために努力している。しかし、疾患のみを見て、患者を診ないという批判がある。「3時間待ちの3分診療」という大病院での状態は変わっていない。人員不足は常態化し、研修医の過酷な長時間労働は過労死を発生させ、病理医、麻酔科医、放射線科医のような診療報酬を「稼がない」診療科への軽視は、患者が安心して受診できない病院を生み出している。一方、患者側の医療知識は急速に向上している。生活習慣病の患者は、多くの医療知識を有している。しかし誤った医療知識や、いかがわしい民間医療が横行していることも事実だ。「素人」判断で薬を飲み、そのために健康を害したり、とり返しのつかない事態に陥っている例もある。
いまもっとも問題とされるのは、医師と患者との信頼関係が崩壊していることだ。医療提供側では、様々な改善策を実施している。しかしその努力は十分とはいえない。患者に病状や治療方針の説明をし同意を取らない医師、過剰な投薬、検査を繰り返す医師、個々の患者の状況を考慮せずにワンパターンの診断と治療を行う医師など、医療提供者側が改善すべき点は多い。
『患者のための医療』では、医療訴訟の判例を事実に即して検討し、問題点の所在を探る。医療事故発生後、いかに「患者のための医療施設」に変えたのか、実例を取材、紹介する。インフォームド・コンセントの実際を紹介する。カルテ開示、レセプト開示など医療情報開示の実例を取材、紹介する。セカンドオピニオンの好例を紹介する。細かな配慮と工夫を凝らし、患者にとってのアメニティを実現している施設を紹介する。これらの事例を紹介することで、どの施設でも可能な改善策、ノウハウを明らかにしていく。
さらに、医療提供側の責任を追及するだけでは問題は解決しない。現行の社会保険制度、医療制度、医療を取り巻く環境にも言及する。また、厳しくなっているという病院経営、診療所経営の実態にも迫る。病院機能評価の動きを紹介する。ドクターズフィーが認められない問題や、研修医の劣悪な勤務状態、慢性的な看護婦不足など、医療が抱える問題の解決策を考える。医師免許が終身免許であることや、専門医制度、認定医制度の問題点なども取り上げる。恣意的な保険点数の改正については、国、厚生労働省の意図を探る。海外比較というと米国一辺倒である。情報の多い米国以外の国の医療制度についても紹介する。そして、日本の医療制度をどのような方向に持っていけばよいか、広範な人々を巻き込み議論する場を作りたい。
すべての人は患者になる可能性がある。医師も例外ではない。そしていつか必ず、人は死ぬ。自分や自分の家族が傷ついたり、病んだ時、安心して医療を受けることができるためにはどうすればよいか、立場の相違を乗り越えて、語り合える場=MOOKを我々は目指したい。
株式会社篠原出版新社
編集長 井澤 泰
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